遺産分割には、経済的に有利になる相続人と不利になる相続人がでてしまう事は往々にしてあります。
その不公平感を一時的に回避でき、相続人相互間の話し合いもまとまり易く、一見穏やかな公平感がある様に見えるのが「共有」です。
後先を考えなければ最もスムーズな遺産分割の方法でしょう。
しかしそれは錯覚です。
「共有」は当面のトラブル回避としての意味合が強く、将来発生するトラブルの火種になるケースが多いのです。
下記が「共有(共有持ち分)」となってしまう代表的なパターンです。
誰でもが時の経過とともに生活環境は変わりますし、時として想定外の出来事が発生するなどして考え方や価値観も変わる事はあります。
共有財産に対する微妙な権利意識が生じれば、遺産分割の当時は良好であった人間関係に亀裂が入ることは容易に想像できます。