争族問題はどんな一般家庭でも起こりうる
最高裁判所が発表している数値を見ると、2018年度に遺産分割に関しての調停事件は2万5千件弱で、昨今は更に増加傾向の模様です。
この数値は調停の申し立て件数であり、実態はその前に弁護士等が間に入って紛争を解決している事例の方が多い事が想定されるので実際に揉めている件数は遥かに上回る件数だと思います。
相続発生のどれほどの割合なのかと考えさせられます。
新型コロナウィルスによる不況もあり、今後は相続人の権利主張が更に激しくなる傾向に向かう事は間違い無いでしょう。
遺産相続という言葉からは、「骨肉の争い」という言葉を思い浮かべる人も多いと思います。
もっともそれは資産家に限ったことで、一般の家庭には無縁の事と思われがちです。
ところが、むしろ配分できる遺産が自宅の不動産のみといった家庭ほど、兄弟姉妹間の争族問題は発展しているのです。
子供が一人で、遺された親子間で揉めている状況も往々にして直面します。
こうした争族問題は一度揉めてしまうと、なかなか元の兄弟関係や親子関係に戻れないとも聴きますので気の毒です。
争族問題が発生してしまうと、相続人だけでなく財産を残して亡くなった本人も不幸です。
兄弟姉妹が命日に集まる事もなく、中には親の墓参りにも行きづらくなってしまう事態も考えられます。
子供からは相続対策を言い出しにくいものです。
親の死を前提としているからです。
私は是非、元気なうちに親から相続対策を働きかけしてほしいと思っています。
亡くなる前の「生前対策」です。
何とかして「正しい生前対策」の必要性を見出し、円満な相続も迎えてほしいと願う次第です。